気象衛星NOAA用 受信アンテナの製作(QFHアンテナ 2)

 

●エレメントの作成

今回、エレメントにはアルミ線を使う事で加工を容易にし、自重を軽くしました。
最初にアルミ線をロングとショートの2つのエレメントを設計図の寸法通りに切ります。

<設定例>
周波数:137.5MHz/ターン数:0.5回/曲げ半径:2mm/エレメント直径:3.5mm/縦横比:0.32
ロングエレメント長:2,389.7mm
ショートエレメント長:2,271.1mm

 

折り曲げ位置の各所と、エレメントが塩ビパイプに隠れる部分(エレメント中心から
左右2箇所)に判りやすい色の油性ペンなどでマークを付けます。軽くテープを
貼っておくのも良いでしょう。

 

 

 

エレメントに塗料が塗布してある場合は、先端を数ミリ程度ヤスリで削り落とします。
ここが給電部になりますので、被覆が残って接触不良を起こさないよう注意します。

被覆されていない線材の場合は必要ありません。

 

 

 

●塩ビパイプ(ブーム)の加工

次はブームになる塩ビパイプの加工ですが、その前にアルミ線を通す為の穴開け位置の治具を作ります。
これも先程のサイトにテンプレートが用意されていますので、それを利用します。
@パイプの太さ、
Aエレメントの太さ
この2つの数値を入力すれば簡単に時具が作れます。
「Calculate」ボタンを押すと次ページに移り、図面をクリックするとPDF形式で提供
されます。それを原寸大にプリントアウトしてハサミで切り、治具を作ります。

以後の貼り間違い等の失敗を考えて、予め2〜3枚印刷しておいたほうが良いでしょう。(経験者)

 

出来上がった治具の裏面に薄く糊付けして、上部・中間部・下部の3箇所に間隔を守って
塩ビパイプ(ブーム)に貼り付けます。角度がズレないように塩ビパイプの縦方向に黒印字される部分を
貼り付けの基線として利用します。


←ブーム上部貼り付けの位置ですが、塩ビパイプの先端にして下さい。先端に持ってこないと、
  同軸ケーブルとエレメントの結線(給電部)がパイプ内側の深い位置になり、加工が難しくなります。

 

←中間部(左)と下部(右)の治具の貼り付け。

 

 

 

貼り付けた治具を基準にして、ブーム上部エレメントの取り付け穴はU字に4方向切れ目を入れます。
深さは約5mmくらい・・あまり深い位置だと加工に苦労します。

 

 

 

中間部と下部は治具上で示された穴あけ位置に合わせて、ドリルで穴を開けます。
ドリルの刃先とエレメント(アルミ線)太さφは同径です。

穴あけの際、刃が滑りやすいのであらかじめセンターポンチでへこみを作っておくと
作業がしやすいです。

 

 

 

塩ビキャップは、ブーム上部からの防水とエレメント(アルミ線)の固定で使います。
初めに糸のこぎりを使って4方向直角に切れ目を入れます(治具を作ると位置がズレなくて便利)。
そして、切れ目の幅はエレメントの太さ(3.5φ)まで広げます。

なお、ブーム上部をホットボンドやエポキシ系樹脂で固めてしまう場合は不要です。

 

切れ目幅が狭いと、エレメントが当たってしまいキャップを被せられません。。
幅を広げる場合は電動ドリルの同径の刃先を横に使って、垂直に押し下げれば簡単です。

(刃の回転勢いで左右にふらつかないようないよう慎重に)

 

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